今回は四球を出すことで本当に流れが悪くなるのかについて書いてみました。
投球・送球アドバイザーとして活動している私ですが実際に現在も投手をやっている中で先頭打者に四球を与えると
「もったいないよ」
「四球は流れが悪くなる」
「ヒットの方が良かった」
そんなことを言われます。
野球を始めた頃から四球は悪いものだと刷り込まれている影響からかほとんどの投手の方は1度は言われた経験があるのではないかと感じています。
実際投手をやっている中で考えていることは四球より長打を打たれないことです。(私の場合は)
ホームランを打たれると1球で1点入りますしランナーが3人いれば一気に4点入ってしまいます。(効率的な攻撃)
視点を攻撃側に置き換えるとホームランでの得点は水ものだと思われるケースも多いので、ヒットで繋ぐ野球やバントやエンドランなどを駆使して得点した方がチームとしての達成感や満足感を感じれるので評価されることが多いです。(あくまで体感)
そしてそのバントやエンドランは成功して当たり前だと思われがちですが意外とミスも多いので打たせた結果とさほど変わらないのではないかと思う場面もあります(これも体感)
試合を見ている側はノーサインで打たせて無得点だと
「監督はちゃんと考えているのか?」
と監督批判をしたり
逆にノーアウトランナー無しから犠牲バントを決めて進塁打を打ち2アウトランナー3塁まで形を作って3アウトチェンジだと
「良い攻撃だ」
と感じたりしませんか?
先日とある監督が話していたのですが誰がどう見てもバントの場面(セオリーと言われるであろう局面)で打たせることがかなり難しい勇気のいる決断だと話していました。
バントのサインが一番楽だと。
実際に勝つ試合では要所要所で長打やホームランでの得点が大きい場面も多い(効率良い得点)ですし、かといってバントやエンドランが全く必要がないかといえばそうでもなくてサヨナラがかかっている局面や終盤など守備側にプレッシャーがかかる場面では非常に効果的であるケースもあると思います。
そして野球はチームとして(試合に出ている9人+ベンチ入りの選手たち)トータルで考えられることもありますが結局は投手対打者の1対1の勝負を27アウト取られるまでに何回勝負するかなので個人個人のモチベーションが大事になってきます。
気持ちを落としている選手が多いより気持ちが上がっている選手が多い方が良い結果に繋がる気はしませんか?
話は少し脱線しましたが野球界には自チームで勝手に思い込みから余計な声掛けやプレッシャーをかけて流れというか雰囲気を壊していく風潮があると考えています。
先頭打者で2ボールノーストライクになるとベンチから声がかかり(悪気が無かったとしても)嫌な感じをさせて過度にプレッシャーをかけているなと思ったこともあります。
プレッシャーをかけられすぎてイップスになった選手も見てきました。
これらを踏まえて
四球で流れが悪化は勘違い⁈
そこで今回たまたま面白いYouTubeを見つけましたので添付させていただきます👇
昭和女子大学の准教授である榊原良太さんは、10年分の甲子園データを独自に収集し、ノーアウト1塁の場面における得点の傾向を調査しました。
特に注目したのが、
「フォアボールで出たランナー」
と
「ヒットで出たランナー」
が、その後の失点にどのような影響を与えるかです。
具体的には以下のデータが示されています:
- ヒットで出塁した場合の失点率:43.6%
- フォアボールで出塁した場合の失点率:43.0%
結論として、フォアボールで出たランナーが失点に結びつく割合は、ヒットで出たランナーとほぼ同じであることが明らかになりました。
つまり、一般的に言われる
「フォアボールは流れを悪くする」
という考え方は、実際のデータに基づいていない可能性が高いのです。
プロ野球のデータでも同様の結果が得られており、これらの数値は、ヒットやフォアボールが失点に及ぼす影響がほとんど差がないことを示しています。
といった内容でした。
西岡さんが話す日本とメジャーの違い
まず日本の場合はノーボール2ストライクの場合まず外に1球外すのがセオリー。
2ストライク簡単に追い込んでいるのに3球目ストライクゾーンで打たれると
「簡単にストライクをとりに行って、せっかく追い込んでいるのに勿体無い」
と言われるケースが多くバッテリーが嫌がり外に1球外す流れが多い。
西岡さんは打者心理であの1球が本当に無駄だと話していました。
反対にメジャーの場合は全球勝負!
ノーボール2ストライクでも3球目でアウトを取りに行くピッチングをするので四球に対してそんなに嫌な感情もない。
日米での考え方の違い
「四球やエラーで出塁したランナーはヒットで出塁したランナーよりも失点に結びつきやすいと思う?」
というアンケートに対して
- 日本:肯定44.7%
- アメリカ:肯定14.7%
ということでアメリカの方はほとんどそうは思っていないそうです。
むしろそんなことはないでしょ!と反対派の方が多いくらいみたいでした。
野球は「成功を目指していくスポーツというよりかは、ミスをどれだけ減らしていくかというスポーツ」と考えられていることに対して、
日本ではミスに対して厳しい風潮があるとのこと。
それに対してアメリカではミスをしないよりも「どんな方法でもアウトにできるかチャレンジしにいくこと」を考えている。
際どいプレーは正面に入らず半身で入ったり、素手で捕球しにいったり。
捕球数ことが目的ではなくアウトにすることが目的な考え方。
そのくらい同じスポーツでも考え方の違いがあるようです。
次のアンケートは
「ピンチを無失点でしのいだ場合、次の自チームの攻撃は点が入りやすくなると思う」
というアンケートに対して
- 日本:肯定53.1%
- アメリカ:肯定27.4%
日本ではそう思うけどアメリカでは別にそうは思わないという結果が出たそうです。
別のデータとして「ノーアウト満塁を何点で切り抜けたかによって次の回の得点がどれくらい変わるか」も調べたことがあるようでしたが基本的には関連はないそうです。
まとめ
以上のことから知らず知らずのうちに四球に対して過剰に悪いものだと考えてしまったり、そういった野球の見方が染み付いてしまっているのではないかと思います。
今回のデータがあるからというわけではありませんが攻撃も守備も1イニングは1イニングとして考え最善を尽くす。
チームとして得点をとって良い雰囲気の時はそのまま進み、失点したりエラーなどミスが起きた場合にどれだけリセットして次の1イニング仕切り直して戦うことができるか。
そういった考え方が重要なのではないかと考えています。
あくまでデータはデータなので本当はすごく影響があるかもしれない。
実際のところは正直わかりませんが今回のケースだけではなく何事にも悪い方向への思い込みは自分の足を引っ張ることがあります。
人はやり方、取り組み方、考え方次第でいくらでも変わるチャンスはあると思います。
野球の試合中は対戦相手に勝ちたいと思うのであれば、試合終了まではどんなに不運や悪いプレーが出たとしても、悪い方への思い込みではなくチーム全体で良い未来を想像していくことがチームにとっても個人にとっても良い方向に行くと信じています。
それが難しいんです。
挑戦!!!
過去にこんな投稿をしています👇
【野球人必見】たかが声かけ?投手をダメにするベンチの悪魔のささやき8選!
【野球人必見】たかが声かけ?投手を奮い立たせるベンチの激励9選!
【野球の試合でヤジは必要か?】そもそもヤジとは何なのか?嫌なヤジを集めました
指導実績の一部👇
「とりあえずキャッチボール」
が一般的ですが初めのうちに野球の投げ方ではなく押し出すようなダーツ投げで練習を続けてしまうと悪い癖がついてしまいます。
今回のように初めの段階で指導の依頼をいただけたのは個人的にはすごく良いことだと感じました。
「努力は裏切らない」 と言われることがあります。
私も学生時代はそう信じてひたすら投げ込み、走っていました。
しかし筋力はついたが上達しない、そしてオーバーワークで怪我をして終わりました。
学生野球を終えてから気付きました。
正しい方向に向けた努力をしないと「努力は簡単に裏切ります。」 投げる動作って簡単なようで非常に難しいです。
そして投げ方を伝えることも難しい。
伝え方を間違うと投げ方を見失ったり、最悪イップスになることもあったり。
だから当たり前ですが簡単な気持ちで指導はできません。
やるからには真剣に向き合い、一人一人の特徴や感覚を確認し大事に、その中で力を伝える方法を探しています。
決して一方通行の指導にならないように会話、雰囲気を大事に。
今回のような
- 野球未経験の子供
- 控え投手でくすぶっているけどエースを取りたい
そんな投手達に「投げることは楽しいことだよ!」って伝えていきたい。
今回も指導をする中で私も発見できたり、伝え方など勉強にもなりました。
ご利用ありがとうございました。
【使わないと損】お得な割引クーポン
指導への想い
少年時代から厳しい言葉を浴びせられ、解決方法もわからず野球が嫌いになり辞めていった人を何人も見ています。
今思うと野球チームの指導者は、どうしても全体を見る中で個人(投手)を見なければならないので、選手個人の課題や悩みはそれぞれです。
そして全体を見なければならないので個々にあった練習メニューは難しく全員同じメニューになりがちです。
野球の現場においては全員同じ練習を行い、その中でたまたま練習方法やコツをや感覚を掴むのが上手な選手が伸びていくことが多かったと思います。
個別の対応がなかなかできないので、私みたいに伸びていかない選手、挫折した選手、素質があっても上のステージに進めなかった選手も多かったと思います。
しかし現場では外部の指導者に依頼をすることに抵抗をもつ指導者が多いのも事実です。
専門的に学んでいる人、専門的な知識を持っている人が増えてきて、個別に指導することが非常に有効になってきました。
例えば、勉強に置きかえると苦手な科目には家庭教師つけたり、塾や予備校に通ったりするのと全く同じ話で、投手(ピッチャー)の個人指導も必要だと考えられます。
だからこそ私は1人でも多く「できない選手をできるようにする」
そして「できるようになることでチーム力が上がり勝利に前進する!」
そして成功体験を経験して楽しく野球をしてほしい。
そんな選手を増やすことが「夢」です。
主な経歴
【福島県 磐城リトルリーグ】
【福島県 平第一中学校 軟式野球】
【栃木県 文星芸術大学附属高校】
🔸県大会優勝2回、関東大会出場 (1回)、甲子園出場(1回) 🔸チームメイトに佐藤祥万(高校日本代表→横浜DeNAベイスターズ→北海道日本ハムファイターズ→広島東洋カープ)
【千葉県 中央学院大学】
🔸全日本大学野球選手権大会(3回)ベンチ外 🔸チームメイトに秋吉亮(東京ヤクルトスワローズ→北海道日本ハムファイターズ→福井ネクサスエレファンツ→福岡ソフトバンクホークス→千葉スカイセイラーズ)
【南関東日野自動車千葉支社(旧 千葉日野自動車)軟式野球部 〜2021】
🔸高松宮賜杯2部出場(日本一+MVP)、高松宮賜杯1部出場 、東日本大会2部出場(日本一)
【現在】 【栃木県 タイセイビッグキャビン(旧ヤマショウルースター)〜】
🔸東日本大会1部出場 、関東クラブ人軟式野球大会(準優勝)
2022年6月〜 【千葉市中央区にてELEVEN DESIGN開業】
🔸投球指導(出張投球指導、オンライン投球指導、千葉市野球スクール)、WEBデザイナー(ワンコインホームページ制作)、防錆塗料代理店
そんな私ですが大人気野球YouTuberのトクサンTVに1度、クーニンTVに2度出演しています。一応貼っておきますので興味があれば是非!!!